<被災された学校よりの「礼状」を読んで> ●『仙台市立荒浜小学校』  仙台の荒浜小学校の川村孝男校長先生から?、先日送った「メッセージカード」の礼状をいただきました。?これで連絡は二度目かな。??本当にありがたい言葉、こちらが励まされます。?やはり私達のメッセージが心に届いたのですね。?  ??大津波で、海に近い体育館の中まで?車両や廃材などの瓦礫が大量に流れ込んできて堆積し、小学校はまるで戦場の?ような景色に一変してしまいました。??今も、仮設校舎で学んでいます。??震災前には、?住宅や松林で校舎から近くの海が見えなかったけど、?震災後の写真では?、住宅の基礎部分だけを残した荒れ果てた風景が広がり、松林もほとんどなくなって、太平洋がそのまま目に入ってきます??。この荒浜地域だけでも190名の犠牲者、うち小学生一人だそうです。??  こんな甚大な被害にあいながら、??同封された沢山の写真には、?9月の運動会や11月の学芸会を?心から楽しんでいる?子供たちの溢れる笑顔、笑顔、?「職員一同、心から喜んでいる次第です」(校長)??。私も、良かったね!?思わず嬉しくなり、?やったね!?拍手しました。?おそらく?子供の心の中には、秘めた大きな悲しみ苦しみが宿っているのでしょうけど??。  校長先生のお便りから; ??「今回、たくさんの心温まるカードをいただきました。?ありがとうございました。?全児童に配り、気持ちを伝えました。?心温まる励ましに少し勇気がわいたようです」??「皆様からの励ましで、?少しずつですが、確かな歩みを進めることができ、?学校としても少し自信がつきました。??学校の再建は始まったばかりです。?今後ともご支援よろしくお願いします」??  荒浜小学校のみなさん?、一緒に学校の再建に向けて頑張っていきましょう。?いつまでもみんなのすぐ側に寄り添って、?心から精一杯応援していますよ。?苦しい事や悲しい事があったら?いつでも書いて送って下さいね ● 『東松島市立鳴瀬第二中学校』  東松島市立鳴瀬第二中学校の高橋裕子校長から、お礼の言葉と写真が届きました。あまりの早い反応に驚きながら、心から感謝しています。 FBにアップした被災地の写真でも見られる様に、有名な海水浴場の野蒜海岸から200mほど内に入った学校は、10m近い津波に襲われ、二階まですべての窓が完全に破壊されて、廃墟になっていました。爆撃にあったような激しい壊れ方に唖然として立ちすくみました。壊れた時計は、傾いたまま「午後3時50分過ぎ」を、今も示しています。  この悲しい惨劇の中で子供たちは、無事に生き残ることができたのか心配していましたが、お便りでは、自宅にいた子供が3名亡くなられたそうです(この地域の犠牲者は、500人を超えるとのこと)。 「家族を亡くした生徒も多く、心の傷はなかなか癒されない状況にはあります」「学校内の備品等も殆ど破壊もしくは流出してしまいました」  高橋裕子校長先生のお話が続きます。 「在校生の84%が津波の被害を受け、現在も67%の生徒が自宅に戻る事ができない。・・家庭環境が改善するには数年を要します」 「多くの皆様のご支援を賜りましたことは、学校復旧に向けての大きな支えとなりました。そして、今も全国あるいは全世界の皆様の温かな励ましを受けていることを実感しています」 「生徒達には、支援を受けることを当たり前であると考えるのではなく、常に感謝の気持ちを持ち、一人一人が思いやりの心を大切にして学校生活を送るように機会をとらえて話しています。皆様のご厚情をしっかり受け止め、「鳴瀬二中の復興」という希望の光に向かって、焦らず一歩ずつ前進していきたいと思います」 「御陰さまで学校は少しずつ元気を取り戻してまいりましたが、地域が復興するまでの道のりは遠く、厳しいものがあります」 最後にお礼の言葉で締められています。  お便りを読みながら、先生の感動の言葉に涙が出てきます。高橋校長先生や教職員のみなさん、鳴瀬第二中の生徒さん、本当に悲しく辛いことがいっぱいでしたね。それでも負けずに諦めずに、辛抱して、この厳しい壁を乗り超えて行きましょう。  これからも、「カードフレンド」の皆さんと一緒に、明日の希望へ向けて懸命にがんばっている被災地の子供たちを、すぐ側で見守り支援して行きたいと願っています。 ●『石巻市教育委員会』千葉照彦指導主事  今回、石巻市の被災された小学校にはすべて、皆様からいただいたクリスマスカードをお届けしました。さらに、クリスマスカードの中で約60枚は、「VIP保存カード」として,市の教育委員会に保存展示をお願いしています。大本山・総本山からの貴重な「色紙」や、法然研究家の町田宗鳳先生の「鎮魂の詩」などは、児童の犠牲者を一番多く出したこの悲劇の地で御霊に捧げたいと思ったからです。  実際、大川小学校のお話を聞くたびに、いつもあまりの悲しみに胸が痛くなり、心の中に涙が滲み出てきます。74人の児童と12人の先生の貴重な命が一瞬にしてあの大津波に飲み込まれていった。残された御遺族の皆様の悲しみや悔いの気持ちは、いつまでもやむことなく、どんなにか深く重く辛いことでしょう。  先日石巻市の教育委員会を訪問した時、千葉主事は、ご遺族への学校説明会の準備に忙殺されていました。まだ4人の児童が行方不明で、今も懸命に捜索作業を続けていられるとのこと、主事からのお便りでは「大川小学校は、出口のない状態に陥っておりますが、ご遺族の方と真摯に向き合い、話合いを重ねるしかないと思っております」。「3月4日(日)には、大川小学校ご遺族様主催の1周忌の法要もあります」  被災地でこんな厳しい環境に置かれてもなお、耐え忍んで前向けに懸命に努力される関係者の姿にはいつも心打たれ、深く感動しています。もしなにかお役に立てることがあれば、私たちも精一杯がんばりたいと祈っています。  先日千葉さんに、こんな内容の便りを送りました。「間もなく悲しみの3.11、石巻のみなさんも、静かに厳粛な追悼の式をもたれることと思います。ここまで耐え忍んでこられた悲しみや悩みが一度に蘇って、本当に辛い時間になる方もおられることでしょう。逝ってしまった人々の霊魂は、この世に残された人々の心の中にいつまでも長く、幸せに生きていた証として宿ると聞いています。また、旅立ちの心残りは、後に残した家族や子供たちのことだと思います。これからも被災地の子どもたちに寄り添って、悲しみを乗り越えて元気に前に進めるように心からの温かい励ましの支援をしていきたいと願っています」  今日のお便りでは「田中先生の取組みには、ただただ頭が下がる思いです。早いものでもうすぐ1年が過ぎ去ろうとしています。夢中で過ごしてきた1年のような気がします。ただ、田中先生をはじめ多くの方から様々なご支援をいただきましたこと、大きな力となっています。」「被災地では、1周忌を区切りにし、更に前を向いて歩もうとしている方が多くいます。瓦礫の処理や、被災地住民の移転先など、課題は山積しております。また、心の復旧には至っていない方も多くいますが、これまでにご支援いただきました、多くの方の想いを胸に頑張って行かなければと思っています。」  以上、カードを送っていただいた世界中の皆様に、被災地からのメッセージをお届けし、今後も引き続き大きな心の支援を是非お願いしたいと思っています。カードを通じて生まれた貴重な「絆」を大切に育み、被災地の皆様に寄り添いながら、明日への希望に向かって共に努力して行きたいです。